今日の材料:自分史、過去、記憶、ストーリー
自分史を書いてみませんか。
自分のこれまでの人生の出来事を、記憶をたどりながら書き出してみてはいかがでしょう。
何それ?履歴書?それとも自己PR?―いえいえ、何も調べなくても、深く考えなくてもいいんです。ただ、あなたが生きてきた中で思い出せる鮮明な出来事を、文字にしてみるというだけです。
だってその目的は誰かにアピールすることではなく、今の自分自身の立ち位置を確認することですから。
「過去」の出来事を書き出すことで、どうして「今」の自分を見出すことになるのでしょう。
みなさんは「歴史」と言われたら何を想像しますか。多くの人は、教科書の中に整然と年表にまとめられているものを挙げるでしょう。でもその「歴史」は、過去に起こったすべての出来事を網羅しているわけではありません。
その国、その時代を代表する大切な出来事を選別して、わかりやすくまとめているのです。基準を作っているのは、歴史学者でしょうか。でも、教科書論争が頻繁に起こるように、それは製作者や関係者の価値観の中で揺れ動きます。つまり、歴史はそこに「ある」のではなく、人が「創っている」ものなんです。
そう、あなたの歴史は、それを思い出す今のあなたが創っているものです。どのような場面で、誰が、何を話したり、行動したりしたのかを思い出すこと-そこには、今のあなたの考え方が反映されているんです。
さあ、もし複数の出来事を書き出すことが出来たら、それをつなげて一つのストーリーを作ってみてください。そのストーリーの筋書きの中に、あなた自身も意識しなかった大切なことが見つかるかもしれません。
そしてもう一つ、あなたのストーリーは決してあなたの中だけで作られるものではありません。他の人との関わりの中で出来上がって行くのです。
もし可能なら、あなたのストーリーを身近な大切な人に話してみてください。
その人との関係性の中にも新たな発見が見つかるかもしれません。