今日の材料:働くということ、組織を生きる、働き方の多様性
最近ブログを書いていて思うことがあります。
このブログのタイトルは【「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ】。でも、これまでの記事は「生きる」に寄っているような気がする。
かといって、【「生きる」を楽しむためのレシピ】とするのも、何か違う
そもそも「働く」ってどういうことなんだろう、と。
働く=会社員!?
「働く」というと、なんとなく会社や組織というものを想像してしまいます。
日本人が仕事を聞かれた時「〇〇社で経理をしています」のように、社名を言う傾向があることはよく知られています。対して欧米人は、自分自身の個性や専門性をアピールするので、グローバルなビジネスの場では発想を変える必要がある、と頻繁に指南されます。
でも、私はこういう所属意識を否定したいとは思いません。むしろ「自分がある組織のメンバーである」という感覚を持つことは、誇れることだと思っています。
ただそれは、その人の認識の仕方にもよります。
組織とは何か
ここで少し組織の話をしてみましょう。
「組織」と聞いたとき、皆さんは何を思い浮かべますか。規模や知名度、それとも階層別に書かれた組織図でしょうか。
こういう目に見える「何か」が組織だと思いがちですが、本当は目に見えない価値観であったり、人と人との関係性の方がよほどその「組織」を表しています。
これは働いた経験がある人なら、多かれ少なかれ実感していることでしょう。
組織論研究者のワイクは、「組織」とは何かという視点を転換しました。組織(organization)というのは、誰からも同じように目に見える固定物(名詞)と考えられてきたけれど、実際は組織化(organizing)、つまり所属するメンバーの日々の営みによって脈々と変化している目に見えない過程(進行形)だ、と。
つまり、一人ひとりの生き方が、組織(化)の一端を担っているのです。
組織「を」生きる
「自分がある組織のメンバーである」と感じるとき、もしそれが会社の規模や知名度に対する誇りだったならば、それは個人の生き方とは何の関係もありません。
でも、もしその言葉が、組織の中で自分軸を持ち、何が大切かを見極められるという自信に裏付けられた誇りなら、それはその人が組織で自分の人生を生きているということだと思うのです。
「自分は〇〇社の一員だ」と言う人が、その会社”で”生きているのではなく、その会社”を”生きていると感じられるなら、それこそが真に誇れる所属意識ではないでしょうか。
私がこれまでの記事で書いてきたこと、常識を問うこと(☆参照)、自分探しや対話を続けて行く(☆参照)ということは、「組織を生きる」ということにも何の矛盾もありません。
働き方は生き方によって決まる
ちなみに組織に所属していない人にとっては、まさに働くことが生きることそのものでしょう。
それだけでなく、家事や子育て、介護、それ以外の多くの日常的な関わりの中で、誰かのために行動したり誰かと支え合ったりすることはすべて、「働く」ことではないでしょうか。それは同時に、「生きる」ことでもあると思います。
「人生100年」と言われる時代がより身近になっていくにつれて、「働く」と「生きる」はより近いものとなるでしょう。自分の人生をいかに生きるかを考え続けることは、多様な働き方がある中で自分が何を選んでどう行動するかという判断に、一貫した方向性を示してくれるはずです。
ということで、結論です。
このブログは、【「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ】というタイトルで続けようと思います!