「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ

「人生100年」と言われるようになり、生涯現役がもはや当たり前の時代に突入。一人ひとりが「自分らしさ」を見つけ、ワーク&ライフを楽しむためのヒントについて考えていきます。

未来へ向かう行動の目標は、変化してもいい

今日の材料:未来、行動の目標、不確実な状況、中村哲医師の活動、変化

ブログを始めて半年経ちましたのでふと振り返ってみました。(記事数を見ると「とほほ」ですはありますが)

老後「2000万円」問題に取り組む前に、まずは自分探しから】というタイトルで書いたのが最初の記事でした。当初は長い記事ではなくサラっと書いてたんだな、と改めて思い返しています。

金融庁の「老後は2000万円必要」という発表が大きく問題視されるのを見て、真っ先に記事に書いたようなことが思い浮かんだことを覚えています。誰が何と言おうと所詮は不確実な未来、にもかかわらずどうしてここまで私たちの心をこんなにもとらえるのだろう、と。

この問題が私たちに提示したことの一つは、見えない不安が良い意味でも悪い意味でも私たちを突き動かすパワーを持っていることだったように思えます。

だからこそ、最初のこの記事で一番言いたかったことは、

まだきちんと向き合えていない大切な問題についてしっかり考え、大切な人と建前でなく本音を話して、理解し合い、納得し合うことが、何より見えない未来への備えとなりませんか。

未来は単独で存在するのではなく、必ず今とつながっています。

ということでした。

未来は今とつながっている―まずそのことをしっかりと心に留めた上で、今自分がすべきことから始めてみよう、ということ。自分と読んでくれる人にとってそのきっかけの一つになればと思い、ブログに想いが綴ってきました。振り返れば、これが最初の記事でよかったのかもしれません。

でもこう書いていながら私自身、毎日に流されてどこへ向かっているのかわからなくなることは多々あります。こうして信念を持って文章を書いているつもりでも、やっぱりこの先に何があるのかわからない不安を持っています。

「老後2000万円」はその計算方法こそかなり大雑把でしたが、具体的な数字であったことも私たちの注目を集めた大きな原因であったように思えます。目標が具体的であれば、それに向かう行動だって決めやすいものです。

実際に、この問題が今すべき資産形成の方法を見直そうという議論を多少なりとも引き起こしました。(これがそもそもの目的だったのでしょうが)

「行動する」ということは、何かしら目標があるから出来ることです。でも不確実な未来に向かう行動の目標は、当然明確なものではありません。明確でない目標に向かって行動するのは、目的地の見えない森の中を歩いているような不安を呼び起こすように思えます。

 

 

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でも、どんなに不確実な状況でも行動を起こす人はいます。

私は今、先日アフガニスタンで銃撃され命を奪われてしまった中村哲医師のことを思い浮かべました。連日の報道で広く知られているように、中村医師はパキスタンアフガニスタン地域に医師として赴任しましたが、医療活動だけでは人々を救うことは出来ないと考え、灌漑活動にも携わり人道支援を長く続けてきました。

中村医師は、自分が診察していた病院の待合室で子供が亡くなっていくのを何度も目の当たりにする中で、その背景にある食糧不足や栄養失調を実感したそうです。医者として患者を診ること以前にすべきことがあると感じ、現住民が自分たちでもできる方法を考えて灌漑や農業を実践できるように支援してきたそうです。

常に目の前にある問題に取り組みながらも、将来的に人々が自分たちの足で立てるようにする―その在り方は、当初思い描いていた医師として人を救う活動する中でさまざまな偶然と出逢い、今すべきこととして導き出されたことだったのでしょう。

中村医師が紛争の絶えない地域で、ご家族からも「覚悟はしていたが起こらないで欲しかった」と言われるほどの過酷な活動を続けてきたことは、とても真似できることではありません。ただ、だからこそ私たちが身近なこととしてでも学べることがあるとするなら、どんなに不確実な状況であったとしても行動をすることには必ず意味がある、ということではないでしょうか。

そしてその意味は、一つひとつの出逢いに真摯に向き合うこと、対峙している人や状況に対して考え抜くことで、少しずつ見えてくることだと思うのです。誰でも、どんな状況でも目標を作ることは出来るはず。まずはそれに向かって行動しながら、本当に目指していることは何なのかを考え続けることが必要なんだと思います。

中村医師は死と向き合うような場に赴きつつも、自宅に戻ると家族とゆっくり過ごす普通の人だったという記事も読みました。ご本人は、周りが思っているほどの偉業を成し遂げたという感覚はなかったのかもしれません。実際に日々の活動は本当に地道なものであり、常に注目を浴びていたわけではなかったと思います。

いろいろな記事を読むたびに、私は本当に人を動かすのは他者の評価ではなく自分の信念だ、と強く感じさせられます。

未来へ向かう行動の目標は、変化してもいい。でもそれをやることには必ず意味がある

中村医師のご冥福をお祈りするとともに、そのことを心に刻んで日々過ごしていきたいと思います。

 

 

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