「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ

「人生100年」と言われるようになり、生涯現役がもはや当たり前の時代に突入。一人ひとりが「自分らしさ」を見つけ、ワーク&ライフを楽しむためのヒントについて考えていきます。

「心の強さ」は性質ではない

今日の材料:心の強さ、信念、行動、継続

40代も半ばを過ぎ、「書く」ということの中にようやく自分の道を見つけた私。これまでの人生は悩みや迷いばかりでしたが、これからは、それらも全て糧にして「働く」と「生きる」を思いきり楽しみたいです。

でも、歳を重ねてもなお手を焼いている自分の性質があります。それは、気持ちの切り替えが極端に下手だ、ということ。例えば人との関係性で何か納得がいかないことがあると、なかなか先に進めなくなってしまう。心の弱い人間です。

もちろん、そこで自分にとって価値あることにも気付いてきました。【答えは簡単に見つからない方がいい 】や【物事の価値を築くのも、やはり人との関係性だ】、【今、自分にとっての「繋がり」とは何か 】などの記事は全て、経験を問うことで導かれた発見です。

でもこうしたアウトプットも、切り替えなければ出来ません。結局はブログ更新が滞ることの言い訳でもあるのですが、自己コントロールが下手な私は感情に負けず自分を維持できる「心の強さ」を持っている人を尊敬しています。

「働く」と「生きる」を考える私の指南役かつパートナーであるI社の常務Nさんは、まさにそういう人です。多方面にプレッシャーを背負う会社の幹部という立場にありながら、いつも明るい笑顔で楽しい話をしてくれて、周りも笑顔にしてくれるのです。

I社では、これまで多くの社員の方たちにお話を伺ってきました。そのほとんどをアレンジしてくれたNさんは、インタビューの前後に必ずその社員さんの話をしてくれるI社の母のような存在。お話の中にもいつも愛(と笑い!)が溢れているのです。

こんな感じでいつも他の人の話ばかり聞いてきたNさんにある日、ご本人のことをじっくり聞いてみました。そこで改めて、Nさんの強さを感じました。

 

ケンカして言い争いして、勝つ時もあるし、負ける時もある。勝つ時が多ければ多いほど、人が従うけど、自分ではそれは合わないから、常に和睦の精神で話をして、そうすると被害者が少ないし、納得が生まれる。

 

そう語るNさんは、かつてI社の大きな改革が始まった時、反対する人たちからかなり厳しい態度をとられていました。でも、そんな人たちにも毎日笑顔で挨拶をし続け、いつしか「Nくんが言うなら、わかった」と相手の態度が軟化していったのです。

今でも、Nさんからのメールには、どんなに忙しくても「今日良い天気ですね」、「そろそろ桜咲きますね」という言葉が添えられています。やむを得ず断りを入れるときも、決して敵を作らない配慮があります。

Nさんと接したことがある人は誰でも、その笑顔と言葉の力を実感していると思います。

実際には「言うは易し、行うは難し」といえるこうした行動。この「明るさ」を貫こうとすれば、相当に心が強くなければ出来ないでしょう

 

 

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過去の話をしているから言えるけど、矢面にいる時は、そんなにかっこいいもんじゃない。

 

Nさんは言います。確かに、職場の日常というのは仕事の煩雑さや人間関係の複雑さでいつだって混沌としています。出口の見えない長いトンネルのような場所で、いつでも前向きに、心身を安定させて頑張れるものではありません。

Nさんも常に不屈の精神を持っていたかといえば、そうではなかったようです。ちょうど私と同じくらいの年齢の頃、不眠症になってしまったとか。24時間改革に頭を巡らせ、枕元に紙とペンを置かないと怖くなり、心身ともに疲弊してしまった時がありました。

そういう自分の弱さも自覚しながら、どんなに厳しい状況でも「明るさ」を貫いてきたNさんの強さは一体どこからくるのでしょう。

 

やっぱり社長と共に歩むんだって決めたから。説明は出来ないけど、納得できる。決めないと、迷っちゃう。そういう考え方もいいけど、こういう考え方もいい、と。でも決めれば、そこを一つひとつやっていけばいい。

 

そうか、そうなんだ、と心からの納得がありました。 Nさんの明るさは、「単にその場の空気を良くしようとか」、「争いごとを避けよう」といった目先のことではなく、より大きなものを変えて行こうとする信念に基づいているのです。

未来へ向かう行動の目標は、変化してもいい  】という記事で、私は「本当に人を動かすのは他者の評価ではなく自分の信念だ」と書きましたが、改めてそう思いました。どんなに先の見えない毎日でも、自分が決めたことを信じて行動し続けられるかどうか―「心の強さ」は性質ではなく、行動の継続から生まれてくるのです。

切り替えが下手で、すぐに自己嫌悪に陥る私―でもそんなことはどうでもいいんです。書くと決めたら、とにかく書き続ける。四の五の言わずに、やるべきことをやればいい!今、そんな風に自分に喝を入れます。 

そんなNさんに「個人としては、どんな会社が理想ですか」と聞いてみたら、こんな風に話してくれました。

 

ルールのない会社。社員が全員自立している。「ここまではいい」「ここまではいけない」「ここはこうすべきだ」っていうことが自分で決められる。そういう人が、本当に優秀な人間だと私は思う。今本当に必要なのは、働き方改革じゃなくて、生き方改革だよね。

 

Nさんのイメージの中ではきっと、会社は働く人が四方八方からコントロールされる「箱」ではなく、一人ひとりが自分の人生を生きる「場」なんだな、と感じました。恐らく日本国内の多くの経営者が持つ感覚とは全く異なるものでしょう。

一人ひとりの生き方が会社を作る。だから会社は社員に、「どう生きるか」を考える場を提供する。そんな構図がI社にはあります。Nさんの会社イメージがいつか実現できるとしたら、それはきっとI社でしかないだろうな、と思います。

そして私は、こうして自分が感じたことを出来る限り文章に表すことで、自分らしい「働く」と「生きる」を実現したいと思います。

 

 

 

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