「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ

「人生100年」と言われるようになり、生涯現役がもはや当たり前の時代に突入。一人ひとりが「自分らしさ」を見つけ、ワーク&ライフを楽しむためのヒントについて考えていきます。

「もっと若いうちに・・しておけば」と思う今こそ、行動の時

今日の材料:「もっと若いうちに」、今こそ最適、「何か」出来る時

「もっと若いうちに、いろいろ挑戦しておけば良かった」

先日ふと、70代後半の母が言っていました。

母は年齢の割には足腰が強く、毎日近所の公園を歩いています。家ではピアノを弾き、新聞のコラムをノートに書き写し、そして夕方になれば5歳の孫(私の息子)の容赦ないクイズ攻撃を受ける日々です。

「1日があっという間に過ぎる」とぼやく母の生活は、ある意味では幸せと言えるのかもしれません。

でも一定年齢を過ぎた人から、母のように「もっと若いうちに・・しておけば」という言葉はよく耳にするような気がします。かくいう私も、「もっと若いうちに今のような思考を持っていたら」と最近はよく思います。

でもその言葉、裏を返せば、今「”何か”やりたいことがある」ということではないでしょうか。

もしくは今、“何か”を出来るだけの時間の余裕とか力がある、と自分が感じているからではないかと思うのです。

つまり、今こそ”何か”出来る、まさにその時なのです。

ある社会学的な見地に立てば、私たちが日頃考えることや発する言葉というのは、私たちの中だけで出来たものではありません。取り巻く環境や周りの人との関係性など、外からのさまざまな影響も受けて、作り出されているのです。[自己の構築主義、という考え方です]

”何か”をしたい、”何が”が出来る、そう思う心とそこから出てくる言葉は、決して独りよがりなものではないのです。

だから、今思うことを、今始めてみませんか。

思えば母は、70歳を越えてからいろいろな新しいことを始めました。孫のクイズ攻撃以外は自ら行動し、いろいろなことを吸収して、時間が足りないと嘆いています。私が知る限り、人生の中で今が一番充実しています。

母にとって今こそが、最適な時なんだと思います。

そして私は今、ブログを始めました。

今こそ発信したいことがある、それを強く感じているからです。

老後「2000万円」問題に取り組む前に、まずは自分探しから

今日の材料:老後、2000万円、不確実な未来、備え、自分探し

 

老後「2000万円」問題が大きな話題となっています。

高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)にとって今後不足となる生活費の試算として、金融庁が報告したものです。これに伴い、「公的年金制度への不安を煽るものだ」という政治論争や、「どうしたら2000万円貯められるか」という資産運用のすすめなど、様々な議論が飛び交っています。

ところでこの話題、良くも悪くも、どうしてこれほど私たちの心をとらえるのでしょう。

不確実な未来への不安―実はこれ、日本人の最も苦手なもの、もっと言えば、最も回避しようとするものなのです。

だから政府与党は必死になって「100年安心」を主張するし、金融知識のある人たちは、こぞって「2000万円を貯める方法」を提案しているのだと思います。

でも、そもそも「不確実な未来」を、今から回避することなど出来るのでしょうか。

 「未」だ「来」ぬ日々のこと、誰にもわかりません。数十年前に、今現在の状況を予想出来た人がどれほどいるでしょう。さらに人も環境もますます複雑化している世の中で、未来の保証など出来るわけありません

でも不思議なことに、私の周りには不確実な未来をそれほど恐れない人がいます。

今、自分自身としっかり向き合って生きている人です。

出来れば見たくない現実、自分自身にとって「痛い」本音から目をそらさず、きちんと周りの人と対話し、問題と向き合っている人です。

身近な人との信頼関係が築けているからこそ、見えない未来にも対処できるという自信があるのかもしれません。

今、未来の不安に備えること、それ自体には大きな意味があります。

でもその最良の方法は、まず今の自分をきちんと確立することによって初めて、見えてくるのではないでしょうか。

仕事のこと、恋人や家族との関係、子育てや介護、自分自身のワークライフの中で、自分の目指す姿とそのギャップ・・。まだきちんと向き合えていない大切な問題についてしっかり考え、大切な人と建前でなく本音を話して、理解し合い、納得し合うことが、何より見えない未来への備えとなりませんか。

未来は単独で存在するのではなく、必ず今とつながっています。

「2000万円」を備える前に、まず今の自分自身としっかり向き合ってみませんか。