「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ

「人生100年」と言われるようになり、生涯現役がもはや当たり前の時代に突入。一人ひとりが「自分らしさ」を見つけ、ワークライフを楽しむためのヒントについて考えていきます。

続けるコツは、結果に振り回されないこと

今日の材料:継続、結果、成果、淡々と

かつて予備校講師を務めていたころ、いろいろな生徒と出会いました。

例えば「褒められると伸びる」と良く言われますが、逆に卑屈になってしまう生徒もいます。

また模試の良い結果が、必ずしも生徒のモチベーションになるわけではありません。偶然にも良い結果を出してしまうと、次の結果次第で立ち直れなくなってしまう生徒もいるのです。

大学受験というのは、こんなにも心身を不安定にする挑戦なんだと改めて思い知らされました。

そんな中で、年に1人か2人くらい出会う飛躍的に伸びる逸材は、都度の結果に振り回されず、淡々と日々の努力を続けることが出来る子でした。

模試の結果に一喜一憂する多くの生徒たちを横目に見つつ、常に自分のペースを崩さない。そういう生徒は、必ず最後に自分の納得する成果を導き出します。

まだ二十歳にも満たないこういう子たちとの出会いに、私は自分の価値観を大きくゆすぶられました。

それは私自身、物事が続かない人間だったからです。

仕事や勉強など、興味のあることはいつでもすぐに見つかりました。でもどこかで限界が見えてくると、すぐに次のことを探そうとしていました。

その度に「もっと向いていることがあるはず」と思っていた私は結局、結果に振り回されていただけでした。

都度の結果は通過点でしかない。自分が最初に何を思って始めたかを心に持ちつつ、日々の自分に向き合っていれば、物事の継続はいつか必ず道を開いていくのです。

思えば予備校で出会った逸材たちも、必ずしも最初に決めたゴールとは違うところに辿りついている生徒もいました。

でもそれは、コツコツと継続したことと、そのプロセスで自分に起きた変化にきちんと向き合ったことによって、その子たちにとって納得のいく成果となったのです。

その後、私も遅ればせながら、ある目標を持って7年間大学院に所属し、当初のゴールとは異なるゴールを見つけて今に至ります。

一つひとつの結果に振り回されず、自分の向かうべき成果を常に追い続けることの大切さを、今強く感じています。

チームや組織の価値は、何が決めるのか

今日の材料:チーム、組織、価値、対話

理屈ではなく、本能的に「なるほど!」と思えることを大事にする。そのことが周りにも良い影響を与える、と前回の記事の最後に書きました。

それは、一体どういうことでしょうか。

少し違う角度からお話しましょう。みなさんはチームとか組織の価値は何が決めると思いますか。

リーダーがいかにメンバーを鼓舞するか、とか組織がどんな目標を立てるのか、などの知識やノウハウ。「良いチームを作るには」とか、「強い組織になるためには」といったタイトルの本に書かれているような、さまざまな問題解決法が思い浮かびます。

ちなみに私は会社員時代、こういう本が大好きでした。というより、こういう本を読むことで、ストレスフルな仕事の人間関係をやり過ごしていました(苦笑)。

でも、こうした本に書かれた知識やノウハウをリーダーが実行しただけで効を奏すことは、滅多にありません。少なくとも、すぐに効果が出ることはまれでしょう。なぜなら、その効果を決めるのはリーダーの在り方ではなく、チーム全体の在り方だからです。

では、どう「在れ」ば良いのか。

全員が自立して「なるほど!」を探すのです。その一人ひとりの「なるほど!」こそが集団的、もしくは組織的な価値観を形成しているからです。

だからこそ、リーダー自身がまず率先して「なるほど!」を探しに行く必要があります。既存の解決法は理屈抜きで共感できる「なるほど!」ですか?そうでなければ、まず自分と自分のチームや組織にしっかりと向き合わなければなりません。

そしてリーダーだけでなく、全員が「なるほど!」を大切にして、一人ひとりがそれにこだわり、他の人ととことん本音をぶつけ合って、もっと深い「なるほど!」を得られるようにすること。こうした努力の積み重ねこそが、チームや組織の価値になるのではないでしょうか。

自分だけでなく相手も「なるほど!」を大切にしていると思えば、既存の解決方法ではなく今、目の前にいる相手と真摯に対話することが大事、と気付くことが出来るでしょう。

こうした環境はやはり、リーダーが作りやすい。でも、まず自分自身が変わることで、関わる他の人にも何らかの影響を及ぼすはずです。

今振り返ると、ストレスフルな人間関係の中にいた会社員時代、私は「上司にこうあってほしい」とばかり考えていました。でも、その関係性の価値を決めていたのは、たぶん上司だけではありませんでした。

自分の「なるほど!」を追求し、相手と本音で対話すること-まだこれからの人生で、出来ることはたくさんある、と今思っています。

「なるほど!」と思うことを大切に。

今日の材料:なるほど!、行動の原動力、周囲への影響

このブログでは繰り返し、「当たり前の日常を見直すこと」や、「自分に向き合うこと」が大事、と主張してきました。

でもそれは、どうやってすればいいのでしょう。

その方法の一つとして提案するのは、あなたが「なるほど!」と思うことを大切にするということです。

誰かの話を聞いたり、本を読んだり、何かの機会に「なるほど!」とか「しっくりきた!」、「腹落ちした!」と思うこと、ありませんか。

喉に詰まった骨が取れたような感覚だったり、思いもしなかったけどまさにその通り!と感じたり。とにかく頭の中で何かがピカっと光ったような感覚。

この理屈ではなく感覚的に得られる「なるほど!」こそが、自分を動かす大きな原動力になるのです。

子供の頃は、多くの人がこういう感覚に素直に反応し、行動していました。でも成長するにつれて、いつの間にかそれを邪魔する判断基準を身につけてしまいます。地位のある人の言葉だから、とか、多くの人が言っていることだから、とか。

そういえば以前は頻繁に、マスメディアの是非が問われていました。マスメディアには、人々にとって何が真実かということだけでなく、何が大切かといった価値基準さえも左右する力があります。ゆえに、ゆるぎないモラルが必要です。

でも最近では、一般の視聴者の発信力が上がり、違うカタチで世論が形成されていることに気付きます。ニュース記事に対するコメント欄を見ていると、反論が反論を呼び、モラルが問われぬままに大勢の影響力が増していくことを空恐ろしく感じることがあります。

いずれにしても、「なるほど!」が持つピカっと光る感覚は、こうした周囲の「常識」に埋もれてしまった自分が、本当は何を大切に思っているかを教えてくれるのです。

それは理屈ではないので、人から植えつけられるものではありません。でもそこで生み出されるゆるぎない納得は、何よりも人を動かす力となります。

誰かから言われたことを鵜呑みにするのではなく、自分が「なるほど!」と思えることを積極的に探すことが、今ある日常を問い直し、自分自身を見つめ直すことにつながるのではないでしょうか。

しがらみを捨て、頭を真っ白にして、あなたの「なるほど!」を見つけてみませんか。

そうすることで、あなただけでなくあなたの周りにも、良い影響があるはずです。

自己PR②―ネガティブな経験だって宝―

今日の材料:ネガティブな経験、学ぶ力、アウトプット行動

日常生活の中にこそ自分が誇れるものが見出される、と書いたのが前回の記事

さらに言えば、むしろ話したくないような失敗や後悔など、ネガティブな経験の中からだって、意味ある発見が出来ます

言い方を変えると、そういう経験から学ぶことが出来る力こそ、人に誇れるものではないでしょうか。

ふと周りを見回してみてください。

自分自身のネガティブな経験に正面から向き合える人、取り繕ったり自虐的になったりせず、それを学びに変えて話すことが出来る人がいたら、とても尊敬できると思いませんか。

とはいえ、ネガティブな経験と向き合うのは、誰にとっても楽しいことではありません。そんな時は、インプット行動ではなく、アウトプット行動がおススメです。

具体的に言えば、ネットや本などの外部情報を読み漁って自分の経験の良し悪しを分析するのではなく、その経験について話したり、文章に書き出すことです。

そうやってアウトプットすることで、その経験を一度自分の心の中から外に出してみてください。

経験に違う風を当てることは、今まで見えなかった側面を見つけることにつながります。前回、前々回と、「あなたの歴史は、それを思い出す今のあなたが創っている」と書きましたが、違う人が見れば、もしくは経験から時を経た今のあなたが見れば、全く異なる側面が見えてくるかもしれません。

例えその時は何も見えなかったとしても、そうやって考えたことはきっと次の何かの経験に活かされることでしょう。考える続けることで初めて、出来事や経験は宝になるんだと思います。

最近、身近な人が転職をしました。教授推薦で入った会社に新卒から20年以上勤めて転職経験はゼロ。そんな彼が40代で予期せぬ転職をすることになった時、とてもじゃないけど前向きにはとらえられなかったようでした。それでも自分の経歴の棚卸しをしてキャリアを見つめ直し、自分や家族の将来を考える中で、少しずつ変わっていったのです。

そして面接の時がきました。自分の強みと弱みを話してください、という「質問あるある」に対して、職歴20年以上の彼は職業上の強みの後に、こんな弱みを話しました。

「私は今回の転職活動を通して、今までの人生でとことん自分に向き合ったことがなかったということに初めて気づきました。これからの生き方を考える上で、この経験はとても貴重なものだったと感じています。」

その経験がネガティブなのかポジティブなのか―それはあなたの行動次第です。

自己PR―ありきたりな出来事こそが宝―

今日の材料:自己PR、ありきたりな出来事、自分にしかない魅力

前回の記事では、「自分の今の立ち位置を知るために自伝を書く」ということを話題にしましたが、それは自己PRとはチガウ、とも書きました。

でも、こういう作業はやっぱり、自分が誇れることを見つけ出すことにもつながると思うのです。

過去に若者就労支援の仕事をしていた時、あるキャリアカウンセラーの方がとても面白い話をしていました。

その方は以前、大手企業の人事部に勤めていて、毎年大勢の新卒社員の面接を行っていました。そこで「大学生活の中でどんなことが記憶に残っていますか」と質問すると、「ホノルルマラソンに参加したことです!」と答える人が毎年少なからずいる、というのです。

あまりにみんなが同じように話すので、ホノルルマラソンにはきっと日本の大学4年生がたくさん参加しているんだろうな、と思ったとか。

でもこのカウンセラーの方ご自身は、学生が話してくれたエピソードの中で記憶に残っているのは、「親友と喧嘩した後、どうやって仲直りしたか」という話だったといいます。

しごくありきたりな、日常の出来事。でもその経験を通して考えたこと、学んだこととこそが、今の自分の在り方に大きく影響している、と切々と語ってくれたことが、今でも忘れられないとおっしゃっていました。

あなたの歴史は、それを思い出す今のあなたが創っているものです。

前回の記事でそう書きました。そして今の自分に真剣に向き合った時、そこに影響する出来事は日常の、身近な人との関係性の中にこそ、存在するのかもしれません。

これも前回の記事で書きましたが、歴史の教科書に載っている出来事は、不特定多数の人に興味あるものを選別しています。でもあなたの歴史は、今のあなたを知るための歴史は、あなた自身にとって意味ある出来事によって創られるのです。

それを見つけるために真剣に考えて得られた答えだからこそ、聴く人の心に響くエピソードになるんだと思うのです。

「どこで、何をしたか」より、そこで「どう考えたか」の方がずっと大事です。

日本人は自分をアピールすることが苦手、とよく言われます。その一つには、誰かと比較したり、その結果として人より秀でている特別な自分を誇示しなければならない、と考えてしまうからかもしれません。

でも、一人ひとりが持つ魅力は他の人と同じでなくて良いのでは。いろんな魅力を持った人が活躍できる場がどんどん増えて行ったら、世の中は今よりもっと素敵になるはずです。

特別な自分ではなく、自分だけにしかない魅力を探すために、日常に目を向けてみてください。

自伝を書いてみませんか。

今日の材料:自伝、過去、記憶、ストーリー

自伝を書いてみませんか。

自分のこれまでの人生の出来事を、記憶をたどりながら書き出してみてはいかがでしょう。

何それ?履歴書?それとも自己PR?―いえいえ、何も調べなくても、深く考えなくてもいいんです。ただ、あなたが生きてきた中で思い出せる鮮明な出来事を、文字にしてみるというだけです。

だってその目的は誰かにアピールすることではなく、今の自分自身の立ち位置を確認することですから。

「過去」の出来事を書き出すことで、どうして「今」の自分を見出すことになるのでしょう。

みなさんは「歴史」と言われたら何を想像しますか。多くの人は、教科書の中に整然と年表にまとめられているものを挙げるでしょう。でもその「歴史」は、過去に起こったすべての出来事を網羅しているわけではありません。

その国、その時代を代表する大切な出来事を選別して、わかりやすくまとめているのです。基準を作っているのは、歴史学者でしょうか。でも、教科書論争が頻繁に起こるように、それは製作者や関係者の価値観の中で揺れ動きます。つまり、歴史はそこに「ある」のではなく、人が「創っている」ものなんです。

そう、あなたの歴史は、それを思い出す今のあなたが創っているものです。どのような場面で、誰が、何を話したり、行動したりしたのかを思い出すこと-そこには、今のあなたの考え方が反映されているんです。

さあ、もし複数の出来事を書き出すことが出来たら、それをつなげて一つのストーリーを作ってみてください。そのストーリーの筋書きの中に、あなた自身も意識しなかった大切なことが見つかるかもしれません

そしてもう一つ、あなたのストーリーは決してあなたの中だけで作られるものではありません。他の人との関わりの中で出来上がって行くのです。

もし可能なら、あなたのストーリーを身近な大切な人に話してみてください。

その人との関係性の中にも新たな発見が見つかるかもしれません。

○活のすすめ

今日の材料:〇活、生活の質、習慣化、見えない不安と不満、意識化

○活といったら、みなさんは何を思いつきますか。

就活、婚活、朝活、終活・・いえいえ、実はもっとたくさん使われているようなのです。

business-textbooks.com

涙活=「涙を流してストレス解消する」活動まであるとは、驚きます。〇活、若干、乱立しているようにも思えますね。

でも、〇活は個人の生活の質を上げてくれるものだと、私は思っています。

例えば、就活(もしくは転活=転職活動)が、これまでの自分やこれからの自分について深く考える絶好の機会だということは、想像に難くありません。今の世の中、予期せぬ転職を強いられることもあるかもしれませんが、そこでしっかりと自分に向き合った人は、後々必ずこの機会が重要な転機になったと感じているようです。

婚活終活も同じく、ライフステージの中で「自分とは何か」を考える貴重な時間だと思うのです。自分に合う人を見つけることは、自分を見つけることなしには出来ません。そして、自分の人生の終結やその後のことを考えることは、今の自分自身と、周りの人との関係性を見つめ直す、良い機会になるはずです。

もっと身近なものであれば、朝活。1日の中で一番頭が冴えている時間、誰にも邪魔されない時間なら、なりたい自分になるために出来ることを探して、継続できるのではないでしょうか。もちろん、それぞれの生活のリズムに合わせて、昼活でも夕活、夜活でも良いと思います。何かを継続し、習慣化することそれ自体が、新たな自分を発見することに必ず繋がります。

腸活(菌活とも!)、眠活(寝活とも!)も大事です。カラダに合う”菌”をとって腸内環境を良くしたり、就寝前のPCやスマホを控えて睡眠の質を上げること。ほんの少しの意識で驚くほど、心と体に良い影響があるようです。

究極的には、呆活(ぼうかつ)というのも大事です。いつも何かに追われているように思えている人、あふれんばかりの情報の中で息つく暇もなくなっている人、何も見ず、何も考えずに空を見上げてみませんか。大きく深呼吸をして、一度頭を空っぽにしてみると、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。

私たちは、毎日に忙殺されています。

でも、そうやって頭も体も精一杯使っているつもりなのに、ちっとも前に進めているような気がしない。そんな風に感じたこと、ありませんか。

自分の持つ不安や不満は一体何に対するものなのか、わからない毎日の中でいつの間にか自分をも見失ってしまう。現代社会に生きる私たちが一番恐れているのは、こういう見えない不安や不満のような気がしてなりません。

自分に合う〇活を初めて、自分でもまだ気づいていない何かに、意識を向けてみませんか

もしかしたら、大切なことが見つかるかもしれません。