続けるコツは、結果に振り回されないこと
今日の材料:受験、継続、結果、淡々と
受験シーズンも大詰めを迎えています。悲喜こもごもの季節ですね。
かつて予備校講師を務めていたころ、いろいろな生徒と出会いました。
子どもは「褒められると伸びる」とよく言われますが、必ずしもそうではない。褒め方によっては逆に、心を閉ざしてしまう生徒もいます。
それから模試の結果が良いことが、ときに生徒のモチベーションを下げることがあります。多くの場合、悪い結果は振り返る材料になりますが、良い結果を振り返ることはあまりないからです。
「たまたま」良い結果を出してしまったとき、次の結果が悪いと立ち直れなくなってしまい、集中力が途切れてしまうことがよくあります。
大学受験というのは、自分と向き合う本当に大きな挑戦なんだとあらためて思い知らされました。ものすごい人生の修行です。
そんななか、年に1人か2人くらい出会う飛躍的に伸びる逸材がいました。
そういう生徒はたいてい、都度の結果に振り回されず、淡々と日々の努力を続けることができます。
模試の結果に一喜一憂する多くの生徒たちを横目に見つつ、つねに自分のペースを崩さない。そういう生徒が、必ず最後に自分の納得する成果を出します。
まだ二十歳にも満たないこういう子たちとの出会いに、私は自分の価値観を大きくゆすぶられました。
それは私自身、ものごとが続かない人間だったからです。
若いころから仕事や勉強など、興味のあることはいつでもすぐに見つかりました。でも限界が見えてくると、すぐに次のことを探そうとしていました。
「もっと向いていることがあるはず」と思っていた私は結局、逃げていただけ。ただ、結果に振り回されていたのかもしれません。
でも、都度の結果はひとつの通過点でしかない。
自分が最初に何を思って始めたかを心に持っていれば、ものごとの継続はいつか必ず道を拓いていくと、いまは思います。
都度の結果は、都度の目標に導かれる。それは、人生の本当の目的を見つけるための道標ともいえます。
予備校で出会った逸材たちも、最初に決めたゴールとは違うところにたどりつくこともありました。
コツコツと継続し、そのプロセスで真剣に自分に向き合っていれば、それまでは見えなかった自分のゴールをみつけることもあります。
継続することと執着することは、まったく別のことです。
その後、私はある目標を持って7年間大学院に所属し、当初のゴールとは異なるゴールを見つけていまに至ります。
”淡々と”決めたことを毎日続けられることが、目的に近づく一番の近道だと実感しています。