「働く」と「生きる」を楽しむためのレシピ

「人生100年」と言われるようになり、生涯現役がもはや当たり前の時代に突入。一人ひとりが「自分らしさ」を見つけ、ワーク&ライフを楽しむためのヒントについて考えていきます。

物事の価値を築くのも、やはり人との関係性だ

今日の材料:関係性、発信すること、対話すること、価値を築く

前々回、前回と2回にわたって身近なトラブル経験の記事を書いたのですが、皆さまからコメント&ブクマコメントで温かい励ましと労いの言葉を頂き、とても力になりました。

この場を借りて、心からお礼を申し上げます。

 

消費者として考える、モノやサービスの価値とは①  

消費者として考える、モノやサービスの価値とは②

 

今もなお、あまり読み返したいとは思えない苦い経験です。でも、自分では情けないとしか思えなかったことに共感してくださったり、励ましてくださったりした皆さんの存在が、私をさらに前向きにしてくださいました。

モノやサービスの価値は人によって決まる、と記事の中でも書きましたが、この経験それ自体も、私自身が今後どう生きるかによってその価値が決まるものなのかもしれません。

記事にしたことで皆さんが言葉を投げかけてくださり、これからまたその価値を一緒に築いてくれるような気がします。やっぱり対話ってすごい!これまで以上にそのことを確信しました。

実は、記事を通しての対話が目に見えるカタチでこんな価値をも生み出してくれたのです。

 

www.my-manekineko.net

 

いつも役立つ記事を書いてくださるまねき猫さんですが、前回の私の記事を読んでコメントでこの「次世代住宅エコポイント」のことを教えてくださいました。記事に書いた実家の給湯器(エコキュート)工事が対象になるようで、おかげ様で申請に間に合いました。

3月末までの〆切間近でしたが、前回の記事でもご紹介した工事会社の方が早急に対応して下さいました。本当に有難かったのですが、何より教えてくださったまねき猫さんに、心から感謝いたします!

まさに、ブログを通じた関係性が生み出してくれた素敵な価値です。

改めて、今回のような苦い経験こそむしろ発信、対話を積極的にした方が良いんだろうな、と思いました。

でも、辛いことにはむしろ向き合いたくない、考えないように目を背けてしまうということも身を持って実感した事実です。特に人との関係性が絡んでくると、ますますその傾向は強くなるような気がします。結果として、(可能なら)その関係性を断ち切るか、貝のように口を閉ざすか・・・いずれにしても発信や対話とは真逆の方向に行ってしまいます。

「自分とは何か」を探るヒントは人との関係性の中にある 】という記事で書きましたが、どんな時にも揺るがない確固たる自分などというものはなく、今ここで誰とどういう関係性にあるかによって、自分の存在はコロコロと変わってしまいます

ほんの少し前の自分が、今はこうやって前向きにブログを書いているような私自身のことを、「ただキレイ事を書いているだけの人」にしか見えなかった瞬間があったように。そして、その後ろ向きな自分を正直に発信したら、また再びブログを書き始められたように。

上に引用した記事でも書きましたが、関係性の中で一時的に築かれた自分、そしてその自分が解釈しているに過ぎない状況であっても、動かしがたい現実になって自分を縛りつけてしまいます。それでも、別の関係性の中に生きたとき、今度はその現実が自分の行動を後押しするようになるのです。

だからこそ意識しなければならないのは、どんな時でも発信すること、対話することを止めない、ということだけなのかもしれません。

もしかしたら私のように、自分自身の言動に良く言えば強い信念、悪く言えば強い拘りを持っている人間ほど、自分のことを思い切って語ることが必要なのかもしれませんね。

 

 

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「価値」ということを考えてみても、やはりこれは物事に本質的に備わっているものではなく、人との関係性の中で変わりうるものだと実感します。

例えば今回の騒動で思いました。エコキュートを作るメーカーの技術者たちの多くは、きっと新たな技術開発という目に見える華やかな価値に目を向けているでしょう。

でもユーザーは、少なくとも私は、今以上の技術を追求する人や時間の余裕があるなら、壊れないもの、壊れても直しやすいもの、もっというなら修理サービスの技術を追求してくれた方が、よほど価値があると思います。

自分の信念、拘りが強い人ほど積極的に発信や対話をし、「価値」の多様性に気付かなければならないと感じます。

でも価値観が多様であるからこそ、対話をすることが難しいのもまた事実です。一体何が正しいのか・・。これだけ世の中が複雑化すると、もはや憤りすら感じます。

 そんな風に考えていた時、「働く」と「生きる」を考える私の指南役かつパートナーI社での対話インタビューで、製造部門に所属するIさんがこんな風に語ってくれました。

 

会社に入ってちょっと違うな、とか、自分のやってきたことが活かせなくてちょっと残念だなって思う人間ってたくさんいると思う。でもある時、機械がお客様のところで止まったりとか、困ってるお客様が私を頼りに相談しにきて、この部品を探してほしい、って。探してきてお客様のところに届けると、営業の人から「お客様に喜んでもらえたよ」とか「ありがとね」とか労いの言葉がぽつぽつとくるようになった。ああ、これが働く目的でもいいんじゃないかな、と。自分が頑張ったことで、人に喜ばれるっていうのは意味がある。困ったら私に相談すればなんとかしてくれるんじゃないか、とか。私も、仕入先さんに頼めばなんとかしてくれるんじゃないか、とか。仲間が出来て、頑張ったことに対して感謝ををされるというのが働く目的の一つになってくる。「ありがとう」でみんながつながっていけば、会社ってきっと良くなっていくんじゃないかな、と。学校でやってきたことが役に立たなくたって、活かせなくたって、別のことで人に感謝してもらえればいいじゃないか、って。

 

私はこのお話にすごく共感しただけでなく、「価値」とはこんなにもシンプルなんだと感動しました。共感し合える仲間がいるという関係性、「ありがとう」と言い合える状況、確かに私自身もそこに大きな価値を感じます。物事の価値はこんなにも単純なことなんです。

働く環境の不確実性、人間関係の複雑さ、仕事の煩雑さ・・。日々の雑事の中ではつい見失いがちになってしまいます。でも私だけでなく、Iさんの考える「価値」に共感する人は多いのではないでしょうか。ほんの少し自分が意識を傾けることで、周りの人と共有できる価値はいくらでも見えてくるのかもしれません。

以前、【「働くということ」を問い直すー自分軸で生きるためにー 】という記事で、「働く」ということを「自分軸を持って生きる」という視点で語りましたが、働くことの価値、働いたことによって生み出される価値もまた、一人ひとりが自分軸を持って生きられるかにかかっています。

でもこの自分軸というのは、決して自分だけで決められるものではない―ということを、I社のIさんの気付きが教えてくれました。

それは人から押し付けられたり強制されたりしても気付けない、こんな風に誰かのストーリーに共感することで気付けることなのかもしれません。

気付きが連鎖すること、これも関係性が築く価値の一つですね。

人との関係性は、大きな負担になることもあるし、大きな価値になることもある―それは生きていく上で、誰もが経験することでしょう。

でもどうせなら、その価値を大事にしたいですよね。

そのために出来ることはやはり、発信することであり、対話することなんだと思います。

 

 

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